2012年05月12日

慢性心不全と塩分

今日は塩分についてのお話です。

 心不全の患者さんでは、食事の際、塩分を制限するように指導しています。なぜ塩分なのでしょうか?
 
  それは、体内では、多くの場合、塩分と水分は同じ働きをするからなのです。
  
  血液の中の塩分が多くなると、血液が濃くなります(浸透圧が高くなるといいます)。濃くなると細胞の中の水が、塩分に引っ張られて、細胞が壊れてしまいます。(ナメクジに塩をふったときを想像してみてください。)そこで、体内にはバソプレッシンという浸透圧を一定に保つホルモンがあります。血液中の浸透圧が高くなると、バソプレッシンが増えて、腎臓から水が出て行かないようにして浸透圧を下げます。その結果、循環する血液の量は増え、心臓に負担がかかるのです。

 心不全の患者さんによく処方されるお薬に、利尿薬というのがあります。フロセミド(商品名ラシックス)は腎臓に働いて、ナトリウムを外に出すような作用をもっています。すると、バソプレッシンも減り、腎臓からお水がでて、尿量が増えるわけです。

 塩分を制限した場合、脱水症を引き起こしやすくなります。慢性心不全の方は、夏場を乗り切るのが一苦労ですね。
 
  最後に、 塩分量を減らすには・・・まず薄味の食事を心掛けましょう。塩味は、下の味蕾で感じるので、食べ物の表面についていたほうが、味が濃く感じます。下ごしらえの段階で塩を使用しても味が薄くなってしまうので、食べる直前に塩を振るのをお勧めします。

BY:Nawata

posted by ドクター at 09:56| 健康 | 更新情報をチェックする